未だに手紙を出す時にどの封筒のサイズがいくらだかパッと思い出せなくて調べちゃいます。あと、重さ。重さでも値段変わりますからね。なので切手を自分で貼るのもなんとなく不安でそのまま郵便局に持っていって窓口にお願いしてしまうダメ人間です。混んでるときとか申し訳ないと思っちゃいます。そんな誰もが一度は手にしたことがある切手のお話です。
切手っていつからあるのでしょうか。貨幣価値が違った時代は値段も違いますよね。始まりの頃は当然流通も少なかったでしょう。なかなか今はお目にかかれないものもありそうです。
そんな切手の中の最初の切手「竜文切手」のお話をしたいと思います。どんな経緯で生まれた切手でどんなものだったのか。今入手することは出来るのか、価値はどれくらいなのか。色々見てみましょう。
最初の切手
郵便制度ができたのは明治時代になってからです。江戸時代は郵便は飛脚が運んでいました。時代劇でもよく見ますよね。あれは幕府が作ったシステムではなくて商人たちが自分たちで独自にやっていた商売です。ですので、全国で統一されていたわけではありませんでした。大政奉還があり他国の文化がたくさん入ってくるようになって、日本はたくさんの文化を取り入れました。その中の一つが郵便制度です。ここから国が主導で郵便制度が始まります。そして切手が登場します。図柄を描いたのは松田敦朝さん。最初に提案したのは梅花文様の割とシンプルなものでした。ところが、このままだと偽造しやすいということでもう少し複雑な絵柄にしようということになり竜の絵が描かれました。それが竜文切手です。
竜文切手が作られた時はまだ大量印刷の技術はありませんでしたので、手作業で作られていたそうです。ミシン目もなく、裏に糊もついていない19.5mmの正方形の切手です。なのでよくよく見ると1枚1枚ちょっとずつ違うところがあったりミスプリントがあったりと、今の切手ではありえないようなバラエティに富んだものになっています。
竜「文」と書かれている通り、通貨の単位は「文」です。これは江戸時代とそのまま同じです。一番安い切手が48文切手。次いで、100文、200文、500文と続きます。今の貨幣価値でいうと1文が32円程度ですので、一番安い48文でも1536円。まだ普及していない時代とはいえ高価ですね。
そしてこの竜文切手が発行されたのは明治4年3月1日。今の暦だと4月20日。ですので、4月20日は郵政記念日と制定されているのです。
竜文切手の買取相場
もちろん今は発行されていない切手ですので、そのへんの郵便局や金券ショップに行ったところで本物を買うことはできません。「お札と切手の博物館」に行くと本物が展示されているので見ることができます。流通枚数もそんなに多くないので、切手コレクターの方でもなかなか手に入らない代物です。中でも未使用品は稀です。そりゃぁ使うために買った切手ですので、使わずに残ってるのはなかなかお目にかかれません。もちろん使用済みのものだって価値はあります。使用済みだって実際枚数そんなに多くはありません。
ですので、もしも古いタンスの中や家族がコレクションで持っていたとしたら、それは貴重な歴史のお宝です。そして万が一もう手元においておく必要がないと判断したのであれば、捨てないでください。あんまりにもな保存状態でない限りは買取ってもらえます。
先程も書きましたが、大量印刷の技術がない関係で絵柄がずれてたりというものが存在します。余白のバランスが取れているキレイなもののほうが買取も高いのですが、完全に逆さまに印刷されてるなどの本当にレアなものは一気に買取価格も上がります。それから消印があるかないかなどでも値段が変わってきます。ですので、1枚1枚細かく鑑定をして貰う必要があります。
安いと1万円届かないくらい。それでも十分な価格ですよね。そこから良いものだと48文と10文は2万円前後、200文は3万円前後、500文は4万円前後まで値段が上がります。
正確な値段はかなり細かく設定されているので、素人で出せる概算はこの程度です。ちなみにですが、竜が逆さまに印刷された大変珍しい500文の切手は3500万円の価値があると言われています。
でも、そんなのは見たってわからないですよね。だから、後はプロに任せましょう。
切手のプロたち
そのへんの郵便局や金券ショップに行って売っていないことでもわかるように、そこに持ち込んでも正しく鑑定してもらうのは難しいでしょう。古美術を扱うようなお店でも、切手を扱っているお店というのは少なく思います。うちの近くにも古美術のお店がありますけど、壺と掛け軸と茶碗って感じです。ですので、専門の買取業者に依頼するのが一番の近道です。
ある程度大きいところに依頼するのがいいでしょう。そういうところは買取った後のルートも確立しているので高く買取ってくれます。それに依頼も多く入っているので詳しい人が必ずいます。中途半端な知識で買い叩かれることは少ないでしょう。
有名なところは「バイセル」「買取プレミアム」「福ちゃん」あたりでしょうか。多くのお客さんは数箇所に見積もり依頼を出します。お店の方もそれを承知の上で査定して結果を出して最終決定まで時間も作ってくれていますので、気にせずに連絡をしてみましょう。「ザ ゴールド」「おたからや」や「ウルトラバイヤー」もオススメです。どこも出張料や査定にお金はかかりません。専門のスタッフが自宅まで来て査定してくれます。
歴史の詰まった竜文切手について買取ってもらえるか調べてみた!まとめ
切手1枚にもたくさんの歴史があります。竜文切手はそれこそまだ馬車で郵便を運んでいた一番最初の時代の切手です。どういうルートを経て手元にあるのかはわかりませんが、思いや長い歴史がたっぷり詰まっています。家宝にするもいいと思います。けどもしも不要になった時はどうかゴミ箱には捨てずにお店に買取ってもらって新しい持ち主に出会えるようにぜひともお願いいたします。