切手を買うことはあっても売ることって滅多にないですよね。よく金券ショップに売られ
ている切手はどういう経緯で売られたものなのだろうかとふと思うことがあります。では、私達が切手を売るとしたらどんなものでしょうか。私の父もどうやら昔切手を集めていたようです。そうです、古い切手です。ただの古い切手と思いがちですが、中には額面以上の買取価格のある切手が存在するんです。たかが切って、されど切手です。
そんな古い切手の中に「田沢切手」というものがあります。なんだか人の名前みたいな切手ですね。どんな切手だったのでしょうか。そして、どれくらいで買い取ってもらえるのでしょうか。
田沢切手のあれこれ
田沢切手ができたのは大正時代のことです。明治が終わり大正に改元されたときにデザインが変わった普通切手のことです。なんとデザインは公募、つまり一般の人からアイディアを出してもらったのです。そんなことをしたのは、この切手が初めてです。そんな意味でも貴重な切手です。図案の原案は田沢昌言さん。だから田沢切手です。人名であってました。といっても実は田沢さんは完全な民間人ではなくてお役所の方で専門家だったそうです。西洋風のデザインが人気が出ていたので、そんな西洋チックなデザインがウケたのではということです。
22年間と、かなり長い間発行され続けていたので、流通枚数が多いと思うかもしれませんが、実は何度も改定をしているので田沢切手と一口に言ってもその中で種類が豊富にあるのが特徴です。ですので、買い取りに関してもいつ作られたものなのかというのが結構重要になります。また、額面が違うだけで基本的に絵柄が一緒なのでこの時代の切手は基本田沢切手です。更に種類が増えましたね。素人にはさっぱり見分けはつかないのですが、参考までにどういうものがあるのかを次で紹介いたします。
田沢切手の種類達
いくつも種類のある田沢切手。一番最初に発行されたのは「田沢型大正白紙」と呼ばれるもので、3銭と1銭5厘がまず発行されました。その後5厘、1銭、2銭、4銭、5銭、10銭、20銭、25銭、1円の切手が発行されました。ここで既に11種類。細かく刻んでいます。3銭と1銭5厘が先に発行されたのはこの2種類の金額が最も使われていたためです。ところが、この1つ前の切手が偽造されていたことが発覚しました。偽造切手が見つかったのです。同じ製法で作っていた田沢切手もこれはマズイということで偽造防止を施して「田沢型旧大正毛紙」として新たに全種類発行されます。
で、これ以降なのですが、多すぎて細かく書くと日が暮れてしまうというか、本当に素人にはよくわかんないレベルです。まず、最終的に印刷の大きさは3種類あります。紙質も先程の白紙と毛紙の2種類、すかしが2種類、で金額も11種類ですから組み合わせ考えるだけで頭が痛くなります。
田沢切手の難しさはここにあります。本当に種類が多い!長い期間使われてるからほぼ同じだよねなんて理論は通じませんでした。無念。
ですので、田沢切手がもしも出てきた場合は問答無用で専門家にお任せ一択です。
田沢切手の相場や買取業者
種類が多すぎるので、買取価格もすごく幅があります。安いものだと数百円くらいです。古いものほど高く、新しいものほど安いというのが一つ目安としてあります。あとは、額面も一つの目安になります。高い金額のものはやはり発行枚数が少ないので高値になりやすいです。ちなみにですが、最も高額な取引と思われるのが、1円の田沢型大正白紙(未使用)で200,000円でした。他にも田沢型旧大正毛紙(未使用)で5円が120,000円、10円が180,000円なんかは高額と言えるでしょう。どれも未使用美品であるのが重要なポイントです。使用済みや汚れなんかも買取ってはもらえますが、値段は下がってしまいます。とはいえ、綺麗にする方法なんてないですので、基本は見つけたらそれ以上状態が悪くならないように気をつけることでしょうか。
業者は2社以上にお願いすることをオススメします。買い叩くようなことはされないと思いますが、会社によってその後の販売ルートだったり今の在庫だったりで値段は若干違ったりしますので、納得して売りに出せるところを探しましょう。実際切手買取の場合複数の業者に査定してもらうのはあたりまえらしくて、業者さんもわかってくれています。即決は迫られないので安心してください。むしろ即決を迫ってあれこれする業者さんはやめましょう。
有名で人気があるのは「バイセル」「福ちゃん」「おたからや」「買取プレミアム」でしょうか。どこも実績のあるところです。近所に古い切手などを専門に扱うお店があるのであればそちらでもいいでしょう。大手は査定のためにこちらが行く必要がなく家で査定してくれるので便利です。切手は運びやすいですが、運んでる最中に汚れたり折れたりしたら最悪ですからね。
田沢切手の買取で知っておきたいこと。まとめ
古い切手だからってそのまま捨ててしまうのはとてももったいないです。もちろん全てが高値で買い取ってもらえるわけではありませんが、切手には歴史が詰まっています。その歴史が欲しい人はたくさんいます。あなたにとって価値がなくても誰かにとっては価値のあるものだったりします。ぜひ、手元に田沢切手っぽいものがあるのであれば、一度査定してもらってみてください。思いもよらない金額で買い取ってくれるかもしれません。