毎年2枚か3枚は当たってます。もらってる枚数で考えると割と高確率ではないかと考えています。ですので、年賀状のやりとりをある程度している方は最低でも1枚は当てているのではないでしょうか。つまりはそれくらいは流通しているということですが、当然郵便局で普段から買えるものではありませんし、毎年絵柄が変わるので、コレクターさんは好きな品です。
では、売ろうと思ったら買い取ってもらえるものなのでしょうか。いくらくらいの値段になるのでしょうか。
お年玉切手シートとは
今更説明するまでもないですが、年賀状の下の部分のくじで3等が当たるともらえる切手シートのことです。2019年度はおよそ7千万本以上の3等くじがあったというわけですから、そりゃ1枚は当たってるわなと思わずにはいられません。
お年玉年賀はがきの発売が開始されたのは昭和25年。しかも国が企画したものではなく、民間人が考えたものなのです。考えたのは京都に住む林さん。この頃はいわゆる戦後。多くの人が亡くなり、行方不明になり、前を向きながらも暗い気持ちが晴れない時代です。そんな中で林さんは「年賀状が戦前のように復活すればお互いの消息がわかる」「打ちひしがれた気分から立ち直るきっかけともなる」と自ら見本のはがきや宣伝用のポスターを作って郵政省に乗り込みます。郵政省内では「国民が困窮している時に商品が当たるとか、そんなのんびりしてられるか」と反論もあり一度は却下されましたが林さんは諦めずに根気よく働きかけ、紆余曲折の後に採用が決定になったのです。こうして発売されたお年玉付き年賀はがきは大ヒットします。新年を祝賀するという日本文化に基づく思いや戦後の復興への思いにドンピシャでヒットしたのだと思います。
そんなお年玉年賀はがきの中で一番当たるのがこの切手シートです。絵柄は、干支を使ったものが多かったのですが。2019年は猫でした。というように、絵柄については必ずしも干支ではないようです。
お年玉切手シートはいくらになるのか
一番当たるお年玉切手シートですが、引き換えに行かない方もいるので、単純に当たった枚数流通していないのと、その後は一切販売されないので一定の希少性はあります。私もすっかり交換に行くのを忘れました。それでも相当の枚数は交換されていますので近年のものはそんなにすごい値段がつくわけではありません。
最も高く買い取ってもらえるのは一番最初に発行されたお年玉切手シートです。その名は「応挙の虎」です。かっこいい名前の切手がトップを飾ります。円山応挙の描いた虎の絵が使われています。元々切手は売れ残ってるのを詰め合わせる予定でしたが、それだと足りないということで作られた切手なのです。発行数は89万8000枚と多そうに見えますが、実のところかなり少ない枚数です。2019年度が7千万本ですからね。0が2つ少ないです。2円切手が5枚で1シートになっています。一時期は3万円とか4万円で取引されていたこともあったようです。今は少し落ち着いたようですが、それでも未使用の状態の良いものは1万円以上の値段が期待できます。また、枚数が少ないため使用されたものでも値段が付きます。ですのでハガキに貼られているものがあればそれも鑑定してもらえます。
その次の年に発売されたのは「少女と兎」です。こちらは最初は干支の兎を用いるつもりはなかったが結果兎になったなど諸説あります。前年の応挙の絵とは違い元々ある著名な絵ではなく、実在のモデルさんを撮影して絵におこしたそうです。引き換えられたのは300万枚程度だそうです。未使用の状態の良いものですと1500円~2500円くらい、使用済みのものでも900円~3000円くらいになるようです。
そして2番目よりなぜか高くなるのが3番目「翁の面」です。実は昭和27年に郵便料金が改定されます。今までは2円だった年賀状は4円に、普通郵便は5円になります。なのでこの「翁の面」は5円が4枚綴りになっています。ところが、昭和27年に限っては在庫処分のために、年賀状は2円で出すことが出来ました。そのため使用せずにしまってしまった家庭が多く、こちらは使用済みのほうが場合によっては高値がつく可能性が。未使用だと3000円を超えることはほとんどないのですが、使用済みの場合は3000円を超えることも。使用済みだからといって諦めるのはもったいないかもしれません。
では、近年のものはどうなのでしょうか。枚数はそこそこ流通しているということもあり、額面通りがほとんどです。ただ、10年分1つも欠けずに揃っている、となると価値が上がりますので、出すのであれば数年分まとめて出すほうが値段がつきやすくなります。
お年玉切手シートはどこに売るか
金券ショップに普通に売るのはもったいないです。金券ショップは今使える切手はありますが、古い切手は並んでいませんよね。つまりは、扱ってません。二束三文で買い叩かれます。ぜひ、専門の買取業者を選んで見積もりをしてもらってください。
オススメは「切手買取福ちゃん」「バイセル」「買取プレミアム」あたりでしょう。
福ちゃんは切手買取業界の中でも大手で、中尾彬さんと池波志乃さんを夫婦で起用しています。つまり有名人をイメージキャラクターに採用できる程度にはきとんとした会社であるということでもあります。だって中尾さんに池波さんですからね。見た目の安心感半端ないです。バイセルは坂上忍さん。こちらもなんとなくの安心感はあります。買取プレミアムは親会社はバイセルと同じなので、特に有名人の起用はしていませんが、系列ということで考えれば問題はないでしょう。
メルカリやヤフオクなどでも売ることは可能ですが、個人間ではトラブルも多いので、出来れば専門家にきちんと査定をしてもらって安全に買い取ってもらいましょう。
お年玉切手シートの買取りって実際どんな感じ?歴史と一緒に相場を知る まとめ
我が家は「あ、切手がない!この辺にお年玉のやつが…」と言って使い倒しているので手持ちがないという非常に残念な状態なのですが、これを期にできるだけ保存しておいてみようかなという気持ちになりました。それに、今はハガキでの年賀状のやり取り自体も少なくなっていますので、そういう意味でももうちょっと大切にしたいと思います。
引き出しの奥底に眠っているお年玉切手シートがあったら、使ってしまう前に一度査定してもらってみてはいかがでしょうか。