切手趣味週間ってなんだか不思議なネーミングですよね。切手を趣味にしている人の週間なのか、切手を趣味にしてもらうための週間なのか。なんにせよ、主語と述語がなんとなくわかりにくいネーミングだと思います。そしてそんな切手趣味週間は毎年記念切手が発売されています。毎年です。毎年。郵便局は本当に記念切手が好きなんだなぁと思います。そして心待ちにしているコレクターもそれだけいるんだなぁと実感します。
そんな切手趣味週間に発売される記念切手はどんなものなのでしょうか。そして、買い取ってもらえるものなのでしょうか。
切手趣味週間の意義
そもそも切手趣味週間とは何を理由に作られたものなのでしょうか。実はその名の通りで切手趣味を普及させるために逓信省という昔の郵政省が1947年に作ったものです。切手の健全な収集をはかるって言われてるんですが、不健全な収集とはなんだという疑問にぶち当たりそうです。それは置いておいて、郵便切手の持っている美しさや芸術性という文化価値をもっと一般の人に知ってもらいたいという思いもあったようです。1957年までは11月の1週間だったのですが、それ以降は郵政記念日である4月20日を含む1周間が趣味切手週間とされています。成果は確実に出ていて、一時よりも愛好家は減ったと言われていますが、それでも近年、日本郵趣協会のキャンペーンによって全国各地でミニ切手展を会員たちが開いています。そんなこんなで趣味切手は多くの人たちに愛されて切手愛好家の普及に貢献しているのです。
切手趣味週間の記念切手
そんなこんなで毎年発行されている記念切手。1950年から1953年の間だけは発行されなかったのですが、それ以外は発行されています。最初の年はその時に発行されていた普通切手を小型シートに収めただけのものだったのですが、翌1948年からはオリジナルの切手が販売されています。この最初のオリジナル切手が最も有名で人気も高い菱川師宣の「見返り美人」です。この「見返り美人」と翌年の「月に雁」は高額印紙用の目打ちを利用して作られているため、日本の切手の中では最大サイズと言われています。また、この「見返り美人」は日本の切手の代名詞とまで呼ばれていて、後年リバイバルされています。
基本的にどの切手も著名な画家による作品が使われています。文化や芸術性という側面を考えれば妥当ではないかと思います。
で、どの切手が高く買い取ってもらえるかと言えば、今名前の出た「見返り美人」です。額面は5円。1シートは5枚です。切手人気の高かった頃は1枚で何万円という恐ろしい値段も飛び出していたそうですが、さすがに今は落ち着いているようです。バラ1枚で状態にもよりますが、1000円前後から本当に状態がいいと3000円から5000円くらいまで値段が見込めます。更にシートで残っている場合は8000円から20000円くらいまで期待できます。流石に20000円はかなり状態が良くないとつかない値段なので、10000円前後と思っていればいいかと思います。
その他に高価買取が期待できるのはもう一つ名前の出た「月に雁」です。こちらも切手ブームの頃は使用済みでも値段はそこそこいったのですが、今は落ち着いていて基本未使用のものに値段が付きます。バラでも1000円以上は期待でき、いいものなら5000円くらいまでいきます。シートで残っていれば10000円超えどころか裏糊が残るレベルの美品ならば倍以上の値段になります。状態でかなり値段が変わりますので、プロに見てもらうのが一番です。
後は更に翌年に出た「法隆寺観音菩薩像」もそれなりの値段になります。10円切手が10枚つながった状態で発売されています。いろいろな事情があって、第2次動物国宝切手シリーズで発行された観音菩薩像の絵柄をそのまま使っているため、発行枚数も少なく貴重なものとなっています。バラで美品だと5000円から10000円くらいになります。
それ以降のものは「ビードロを吹く娘」「市川蝦蔵」あたりはバラで1枚500円前後ですが、その先は額面+αぐらいの金額になります。近年のものだとほぼ額面だと思って相違ないです。
切手趣味週間の買取先
どこに買い取ってもらうのか。もしも近所に古い記念切手等を専門に扱っているようなお店があればそこに持ち込むのもいいでしょう。ただし、金券ショップはまともな値段にならないのでおすすめできません。あそこは今使えるものしか基本は無理だと思っていてください。
そんなの近所にないよ、という方はネットで買取業者にお願いをしましょう。プロの目できちんと査定してもらうのが大切です。フリマアプリを使うという方法もなくはないですが、その場合は売り手も買い手も知識が必要になりますし、諍いのもとになるので近年のものならまだしも古いものはおすすめしません。
買取業者で評判のいいのは「福ちゃん」「バイセル」「買取プレミアム」でしょうか。どこも実績も確かですので安心です。この3社に見積もりを出して一番値段のいいところに売るのが効率的だと思われます。切手の場合複数の業者に見積り依頼をするのはよくあることなので、そこは問題ありません。断っても大丈夫なのでお願いしましょう。
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切手趣味週間で発行される切手の買取について まとめ
70年以上も続く切手趣味週間。歴史を感じます。そしてそれだけ長く愛好家たちに愛されている切手なんだなと思いました。大切な歴史です。手放すのであれば信頼できる業者さんにきちんとお願いして買取してもらいましょう。