学生時代、海外に短期留学したことがあって、一時期よくそのホストファミリーの子に手紙を出していました。返事が来ると海外の切手が貼ってあって、なんだかワクワクしたのを覚えています。そういえば、自分が海外に手紙を送る時に切手が何なのかなんて気にしたこともありませんでした。ということで調べたところ、現在の日本では特に海外用に切手が別にあるわけではないそうです。ちょっと残念です。けれど、以前には存在していたとのこと。つまりは今は作られていないお宝ということになります。実際航空切手をコレクションしている方も多くいらっしゃるようです。
そんな航空切手の歴史や、もし出てきた場合どのように買取ってもらえるかなどを調べたいと思います。
目次
航空切手のあれやこれや
日本で最初に航空切手が発行されたのは1929年です。その後戦争中は発行されることはなかったのですが、戦後再び発行され、そして1953年に発行が中止になりました。間が抜けますのでトータル20年前後使われていた切手ということになります。なぜ発行されなくなっかといえば、郵便の制度が変わったからです。それまでは海外あての郵便は「航空郵便制度」というものだったのですが、それが「速達郵便制度」に統合されてしまいました。そのため航空切手をわざわざ発行することがなくなったのです。今は普通切手が用いられています。普通切手が悪いとはいいませんが、特別感のある航空切手がなくなってちょっと残念ですよね。今も発行されていたらどんな絵柄だったんでしょうかね。考えるのは楽しいです。海外では今も発行されている国が多数あります。
航空切手は発行が終了するまでの間に8種類のデザインで発行されています。そのどれにも飛行機の絵が描かれていて航空切手なんだなとわかります。飛行機好きの人にもたまらない品です。
航空切手の種類と買取価格
では、その8種類を年代順に説明しながら、どの程度の金額になるのかを見ていきましょう
・芦ノ湖航空切手
一番最初に発行された航空切手で、1929年から1934年の間使われていました。8銭5厘・9銭5厘・16銭5厘・18銭・33銭の5種類の金額があります。この中で9銭5厘だけは料金改定をした1934年の発行になります。絵柄は芦ノ湖を飛ぶフォッカー7型3M旅客機です。発行額面によって発行された枚数も違うので、全て同じ価値ではないのですが、その中でも一番高い価値があるのは8銭5厘です。状態が良ければバラの状態でも2500円から本当に美品だと4000円くらいで買取ってもらえます。次いで33銭のものが高く売れます。他3種は状態にもよりますが数百円から1000円くらいです。シートで残っていれば3万円から10万円くらいになります。
・きじ航空切手
唯一飛行機の描かれていない航空切手です。というのも、戦後すぐに発行された航空切手で、当時はGHQによって航空機の所持が認められていなかったために国鳥であるきじが採用されたのです。16円・34円・59円・103円・144円の5種類が発行されています。なんとなく中途半端な金額ですが、当時の航空便の価格に沿って作られたものなのでこんな金額なのです。一応一般の郵便にも使えたみたいですが、まぁこの金額はまず使わないでしょう。きじ切手の中で一番高い価値なのが59円切手です。最大で5000円まで買取価格が上がるというのですから、航空切手の中でも高い方に部類されます。もしも5種類揃った状態で見つかれば、コレクションとしての価値が上がるので更に良い金額になります。
・五重塔切手
五重塔には「銭位」と「円位」の2種類があります。金額は同じ15円・20円・25円・30円・40円なのですが、「15 00」のように銭の位まで書かれているのが銭位で「15」だけのものが円位です。額面ごとに色が違うので見分けやすいです。五重塔の横をダグラスDC-4型機が飛んでいる絵柄です。銭位の方は1年位で姿を消していることもあって、銭位の方が金額は高く付きます。それでも100円~2000円と幅広く、状態と金額が鍵になります。20円と25円が一番いい状態で2000円です。円位の方は20円だけ3500円までつくことがありますが、それ以外は15円~250円くらいとかなり低めの設定になっています。実は円位は一番長く発行されていたので、どうしても流通枚数も多いことからこのような値段になってしまいます。
・立山切手
こちらも「銭位」と「円位」の2種類があります。立山連峰にダグラスDC-4型機が飛んでいる絵柄です。両方共金額は6種類で55円・75円・80円・85円・125円・160円です。銭位の方は5ヶ月しか発行されなかったこともあり、かなり価値が高めです。その中でも55円は最も価値が高く、状態のいいものは14000円とかなり高額が期待できます。次いで高いのは75円で10000円前後です。後は状態次第ですが300円~3000円くらいです。円位の方はどんなに高くても1万円いかないくらいで、一番価値的に安い85円は80円くらいの査定になることもあります。それ以外は200円~5000円の間といったところです。
・大仏切手
一番最後に出た大仏切手は、鎌倉の大仏とDC-4型機、富士山が描かれています。今まで出てきた切手の中では残念ながら値段は一番低く、40円~300円程度になります。唯一145円だけは状態が良ければ1000円くらいにはなります。
・コイル切手
最後はコイル切手です。ですが、このコイル切手は他の切手とはちょっと事情が違います。まず名前のコイルは切手に描かれたイラストではなく形状の名前です。自動販売機で販売される切手はロールにぐるぐる巻かれていて、その形状をコイルというのです。その自動販売機で販売するにあたって作られた航空切手がコイル切手です。なので絵柄も五重塔の絵柄をそのまま使っています。東京と京都の2箇所のみで販売され、額面も30円のみです。ですが、その分流通も少なく、買取は700円から状態が良ければ2500円くらいまで上がります。
航空切手を売りたい・買いたい
売りたい場合はぜひとも1社だけではなく複数の業者に査定を依頼するのをオススメします。買い叩かれるようなことは殆ど無いですが、せっかく買取ってもらうなら高いほうがいいですよね。実は切手の買取で複数の業者さんに見積を出してもらうのは一般的なようで、そのへんは業者さんもよくわかっています。ですのでその場で即決しなくても大丈夫です。また、殆どの業者さんが自宅に来て査定をしてくれるので出かける手間はありません。切手はかさばらないですし持ち歩きはしやすいですが、きれいな状態のまま運ぶのは緊張しますよね。来てもらったほうが断然楽です。見積もりに来てもらうのにお金もかかりませんし安心してお願いしましょう。「バイセル」「おたからや」「買取プレミアム」「福ちゃん」あたりが大手で有名です。
買いたい場合、ネットオークションみたいなところでも売ってはいますが、本物かどうか怪しいものも出ています。実際切手の鑑定は素人には難しいですからね。出来れば信頼の置けるところで買うのがいいと思います。「日本郵便趣味協会」くらい大きなところだと安心だと思います。
今はもう発行されていない航空切手を買取してもらおう!まとめ
日本にも昔はあった航空切手。復活することはなさそうなのが残念ですが、今まで発行された切手たちを見ればその時代も見えてきます。日本の景色と飛行機。思いを馳せながら手にとるのも悪くありません。でも、もしコレクションを手放すならぜひいいところに買取ってもらってください。せっかくの歴史を捨ててしまうのはもったいないですからね。